伴走談

働き方にとらわれないでほしい、フリーランスが自由とは限らない|執筆屋あんちゃさん【Vol.6-02】

 

自分らしい働き方に行き着いた経緯やそのきっかけ、支えてくれた「伴走者」について、当事者の口から語ってもらう「伴走談」。

今回のゲストは、執筆屋として活躍するあんちゃさん (@annin_book) です!

前編では、2018年の活動を振り返りつつ、あんちゃさん自身がぶつかったという「壁」についてお訊きしました。

インフルエンサーがぶつかる壁、「発信」を阻むもの|執筆屋あんちゃさん【Vol.6-01】

発信する目的は何なのか?
その目的を見失わないために、私たちが心がけるべきこととは?

後編では、改めてあんちゃさんにとっての「発信」について深掘りするのとともに、2019年以降の活動指針についてもお訊きしていきます!

 

ライター:北村 (@yuu_uu_)
インタビュアー:北村 (@yuu_uu_)
カメラマン:Natte (@natsuminike)
インタビュー日:2019年1月8日

 

なぜ、「ブログ」だったのか?

 

ーーあんちゃさんの発信の軸には、ずっと「ブログ」という媒体があったと思うんですが、様々な発信形態がある中で、選んだものがブログだったのはなぜだったんでしょう?

 

あんちゃさん:正直いって、理由はあまりないんですよね。

たまたまイベントでブロガーとして独立したての人に出会って、「ブログで稼ぐなんて別世界の話だと思ってたけど、こんな身近なところにいるんだ!」って、ハードルが下がったというのが大きいですね。

 

ーーあんちゃさんが最初にブログを立ち上げたのは、空港にいた時に「ノリと勢いで」だったとか。

 

あんちゃさん:帰省する時に、お金がなかったので 早朝のLCCフライトをとったんですよね。

「電車で行ったら乗り遅れる!」と思って、深夜の成田空港に泊まったはいいものの、なかなか寝られず……そんな時に、イベントで出会ったブロガーの人を思い出したんです。

 

 

無料ブログだったらすぐに開設できそうだし、と思って、ノリで作りました。

 

ーーそれが、今やプロブロガーに……!
きっかけって本当に紙一重なんですね。

 

発信=交流

ーーあんちゃさんという存在がきっかけとなって、ブログで発信を始めたり、地方にいながらにして「盛り上げていこう!」と頑張っている人も多いと思うんです。

ただ、どんなことをすればいいのか、見失っている人も同じくらいいると思っていて。

もしも今、得られた知見・ノウハウはそのままで、まったくゼロの状態から発信活動をするとしたら、あんちゃさんは具体的にどんなことから始めますか?

 

あんちゃさん:私だったら、まずはコミュニケーションを取りにいきますね。

自分が繋がりたい人、同じ価値観を持っている人、同じ方向性で活動できそうだなと思える人。そんな人たちを探して、「自分がどういう部分に共感したのか」「(発信者の)ブログやつぶやきを見てどういう部分が良いと思ったのか」をお互いにシェアする。

やっぱり自分から働きかけないと、存在も認知されませんから。

 

 

ーー「自分は周りからどういう風に見えてるんだろう?」
そういった客観的な視点が掴みきれずに、悩んでいる発信者も多いです。

あんちゃさん自身は、いつぐらいからそういった感覚をもてるようになったのでしょうか?

 

あんちゃさん:反応をもらうようになってからですね。
ブログを始めて最初の2~3週間は、まともに読まれなくって。

「自分のどういった記事がウケるのか?」を探っていくために様々なジャンルをかき続けていたら、たまたま下ネタ記事が当たった、っていう感じです。

「女子なのにこういうことを堂々と言う人は今までいなかったよね」と言われるようになった時に、「これが自分の役割なのかな」と思いましたね。

女性でも男性でも関係ない、こういった話題を堂々とオープンに話せる世の中にする、ということ。

 

自分の得意や好きに出会うためには?

ーー自分の得意ジャンルを洗い出す作業には、時間がかかりましたか?

 

あんちゃさん: まず習慣を作ってしまわないと(ブログを)継続させられないなと思ったので、「1日1本は絶対に書こう」というルールを決めました。

その都度ネタを探していたら時間が足りないので、最初に30本分まとめてネタを出したんです。

そもそも自分には何が書けるのか?

「自分の好きなこと」
「得意なこと」
「人に教えられるようなこと」……。

思いつく限りのジャンルやネタを洗い出していって、しらみつぶしに書いていきましたね

 

ーー読んだ感想をもらえるようになってから、自分の気持ちも乗ってきたのでしょうか?

 

あんちゃさん:そうですね。

最初は1人で書き続けていたんですが、「果たして社会の役に立っているのだろうか?」と悩みながら更新するのがとてもつらくって。

 

 

見られないブログを書いているよりもマシだと思って、2~3週間経った頃に、勇気を出してFacebookでシェアしてみたんです。

そうしたら、「すごいじゃん」って反応が返ってくるようになって。

それでやっと、自分のやっていることの意義を見出せたんですよね。

 

「会社を辞めたとして、死ぬと思うか?」

ーーあんちゃさんの本(「アソビくるう人生をキミに。」)の中に書かれている言葉で、「会社を辞めて新しいチャレンジをしたとして、死ぬと思うか?」というものがありますね。

これは当時付き合っていた方から言われた言葉と書かれていますが?

 

あんちゃさん: 私より先に公務員を辞めて、アフィリエイトで独立した人です。「本当にこんなことをやっている人がいるんだ」って衝撃を受けました。

私がブログを始めて、少しずつビュー数も伸びてきた頃に、「会社に行く時間がもったいないからブログだけでやっていこうか迷っている」と相談したら、言われた言葉です。

 

 

ーー今もその方はアフィリエイトを続けているんですか?

 

あんちゃさん:続けていると思います。

彼と知り合ったのもFacebookだったんですよね。本当にたまたまブログの記事が流れてきて、それを読んだことがきっかけになりました。

 

ーーどこにきっかけが転がっているか、本当に分からないですね……!

 

スキルは実践しながら身につけるもの

ーー発信をしていく中で、「自分にはどんなスキルがあるのか」が見えなくなってしまう人もいると思うんですが、その点についてはどう思われますか?

 

あんちゃさん:勉強してから実践する人と、実践してから気づく人。スキル習得に関しては、このどちらかに分かれてしまうと思っていて。

私は圧倒的に後者。

やってみないとわからないと思ってしまうタイプです。

 

 

だから、ブログもとりあえず始めてみた。

とりあえず1記事でも書いてみようと思った時に初めて、「そういえばブログってどうやって公開するんだろう」という部分が分からないことに気付いて、慌てて調べたり。

そんな風に、やりながら身につける、やっていく中で勉強していく。

その中で徐々に身についていくのがスキルだと思っています。

切羽詰まらないとやらない人間なんですよね。会社も辞めたし、手を動かさないと死ぬって思えたからこそ、ブログを頑張れたので

 

2019年、あんちゃさんの活動の基軸は

ーー2019年の活動は、合同会社「WHY & CO」の経営に軸足が置かれると思うのですが、今年こそはこれをやろうと計画していることはありますか?

 

あんちゃさん:具体的なプランは未定なんですが、人と縁が繋がることで、何かやりたい事が生まれればいいなと思っています。

「札幌のコミュニティを盛り上げたい」
「札幌の人の発信力を高める活動に貢献したい」

そんな思いが強くあるので、関連する活動をしていく中で、何か大きいこともできればいいな、と。

 

 

札幌は起業家もフリーランスも圧倒的に少ないので、母数が少ないからこそ、みんなで繋がったほうがいいと思ってますね。

 

ーーこれから地方で頑張っていきたい、盛り上げていきたい、発信力を高めていきたいと思っている人に対して、何かメッセージをお願いします。

 

あんちゃさん:発信という意味では、都会にいようが地方にいようが関係ないと思っています。自分の価値観に近い人、 同じ方向に進めそうな仲間を探して、web上で繋がっておくことが大切ですね。

そして、「フリーランスで頑張らなきゃいけない」とか、そういった変な縛りみたいなものは、早く取っ払っちゃいましょう!

 

 

フリーランスだから自由だ、なんてことはありません。会社員じゃなくても縛られている人・消耗している人はたくさんいます。

働き方の形態は関係ない。

今の自分の働き方を継続しながら、空いた時間で何か新しいことを始めるというのでもいい。「こうしなければいけない」という思い込みは、捨ててしまいましょう。

 

 

時には、発信をやめてしまいたくなった日もあったかもしれない。

自分の思いを発信することは、賛同を得られる半面、心をえぐられるような反対意見や罵詈雑言を浴びる覚悟を決めることでもあります。

それでも、あんちゃさんが今日という日まで発信をやめずにいてくれたのは、それでも伝えたい強い想いがあるからだと痛感しました。

札幌という地で、新たに「フリーランス人生第2章」の幕を開けるあんちゃさん。

これからはどんな気付きを私たちに共有してくれるのでしょうか?

 

あんちゃさん、ありがとうございました!

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ここまで読んで頂き、ありがとうございます。

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