悩みと向き合い、乗り越えようとしてきた人びとのお話を聞く雑談インタビュー。
第6弾は、ライター・詩人のえるちゃん。
第1部で見えてきたのは、自分自身に正直でありたい彼女の姿。
その背景を知りたいと思い、第2部では「死」を真剣に考えた高校生時代からお話をお聞きしました。
自分は何者かどうしてもはっきりせず、一度自身の人生を終わらせたえるちゃん。
今の人生はボーナスステージ、だから自分自身を思うがままに生かしたいと語ってくれました。
ただ、大学を中退しフリーランスのライター・詩人として生きていくことに不安は感じられなかったか、疑問が残ります。
大きな勇気が必要だったはず。
彼女が大きな選択を取ることができたのは、「株主」と例える親友の存在がありました。
最終回の第3部。
彼女の大切な親友についてお聞きしていきます。
悪い面も含めて「良いね」と言ってくれる親友
勇気の源一つである、大学時代からの親友はどんな人なんでしょうか。
彼は何があっても、“全面的”に肯定してくれる人。
大学をやめるとか、あちこち行くとか、ライターやるとか、どんな選択を取ろうとしても、「やろうと思ったなら良いと思う」って言ってくれる。
やから、できるみたいな(笑)。
一見、なんでもかんでも肯定してくれる友人だと思いました。
しかし彼女の親友は、決して安易に肯定してくれる訳ではありませんでした。
何にしても良いところ悪いところがあって、その悪い面もちゃんと見てくれた上で、「良いね」って言ってくれるんです。
なんでもかんでも「良い良い!」って言ってくれるわけじゃなくて、「こんな悪い面もあるけど、一方でこういう良い面もあるから、良いね」って言ってくれる。
そんな親友がいるから、何をやっても一人にはならないって自信が生まれるんです。
良い所と悪い所、両方を見てくれた上で、彼女の選択を尊重してくれる親友。
そんな友人がひとりでもいてくれるだけで、どれだけ心強いでしょうか。
お互いの成長に投資する「株主」
さらに彼女は、親友の存在を“株主”と例えます。
私と親友は、お互いの株主でお互いを成長させることが自分の利益にもなる関係だと考えてます。
自分が成長すれば相手に還元されるし、相手が成長すれば自分にも還元される。
だからこそ、お互いに本気で助言しあえるし応援しあえるんです。
親友は株式会社「える」の筆頭株主であり、彼女自身も親友の筆頭株主。
ただ思ったことをなんでも話せる親友とは、違うことが伝わってきます。
親友が、自分自身のためにも本気でえるちゃんの悩みを聞いて相談に乗ってくれる。
気軽に話せる関係だとしても、心の中では真剣に相手と向き合っていると感じられました。
文章は、自分の生き方を見返すための「伴走者」
改めて、彼女が書く文章が気になり始めました。
ただ気持ちを書き出しているだけではないはず。
生き方を模索していく上で、自分が書いた文章は、どんな存在として捉えているのでしょうか。
私、誰よりも自分の文章を読んでるんですよ。
何回も読み返して「私はこの時、こういう風に思ってたんや」とか、逆に「あぁ、そうやった、そうやった」って思い直すこともある。
嘘もつけないし、隠せもしないんですよね。全部文章で残っているんで(笑)。
迷った時や悩み始めた時に、最初に手を差し伸べてくるのが自ら書いてきた文章たち。
自分の気持ちを素直に書き続けるからこそ、揺れそうな時に見返して確かめることができる。
生き方に正直でありたいからこそ、たくさんの違和感に悩んだ。
そんなえるちゃんをいつも支えてくれたのは、他ならぬ自ら綴った文章でした。
書きたいときに、書ける生き方を模索する
大学を中退し、フリーランスのライター・詩人として、自分らしい生き方を模索し始めたえるちゃん。
さっそく、新たな悩みがあるようです。
書きたいタイミングをコントロールできないのが悩みなんですよ。
本を読んでいる時、ふっと本と全然関係ないことを思いついて読むの中断して書いたり、帰り道に書きたい事がおりてきたから公園のベンチで書いたりとか(笑)。
だから、予定決めて「今からやりますっ。書きますっ。」っていうのが苦手で。
学校やバイトの時間がすっごいもどかしかったんです。「あっ今、今書きたいのにっ!」って。
自分が書きたい時に書ける。
その時間がえるちゃんにとって、とっても大事なこと。
自分の文章で仕事できるために、読み手が求めている文章を求めているタイミングで書けるようになりたい。
まさに、彼女の体現したい生き方。
その模索はまだ始まったばかりです。
道無き道を行くゆえに、わからないこともたくさん出てくると思います。
それでも、彼女溢れる笑顔から大きな不安を感じられませんでした。
悩んでも、一人じゃない。
大切な友人たちや、何より自分が書いてきた文章たちが彼女のそばにいるから。
ここから彼女がどんな生き方を歩んでいくのか、
そのお話はまた後日に。
インタビュアー/ライター:かめ
写真:げん
撮影場所:OSAKA STATION CITY
ここまで読んで頂き、ありがとうございます。
今回の記事も含めて、Blind Up.では働き方で悩んでいきた「当事者」によって運営されています。
もし、当メディアに興味がある方は、以下の「関わり方」ページをご参照ください。