伴走談

「やめる」は「逃げ」ではなく、自分と向き合いより良い方へ持っていくため|アーティストBambi【Vol.2-04】

働き方に悩んできた当事者たちが、自分らしい働き方ができるようになったきっかけやその経緯、そして彼らのとなりで支えてくれた「伴走者」について、当事者目線から綴っていく「伴走談」。

第2弾は、自信もボールペンアーティストで活動しながらも、アーティストのサポート活動もしているBambiさん。

最終回である今回は、今までの経験を通したBambiさんの仕事に対する工夫に迫ります。

一見、順風満帆な働き方ができているように感じます。しかし、社会人になってから自身が発達障害であることがわかり、働き方について多くの悩みや工夫をしてきました。

そして何より、Bambiさんには本当にたくさんの「伴走者」がいたことにいました。彼の口調から感じる、彼らをとても大事にしているということ。自身の働き方を変える瞬間にも、その存在はいました。

パート1から3まで読まれていない方は、ぜひこちらから読んでいただけると幸いです。

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ライター:かめい(@okame1470)
カメラマン:はしー(@hashii_2)
インタビュー日:2018年11月11日

プレイヤーとサポーター、二足のわらじをはく違和感

アーティストのサポーターとプレイヤー、両立させるのに違和感はないんですか?

違和感…。それを言うと、一個踏めてないステップがあって、それはマーケティングや経営の知識・ノウハウなんですよ。それを踏めてなかったから、今ちょっと躓いてますね。自分の思った通りに運営させることができない。だから、それを踏んだ後にやっとけば良かったって思ってました。年齢的に40~50くらいできれば良いかなって。

でも、現に今このシェアアトリエを運営している…。

今は学びながらやってますね。過去にどん底まで落ちたって思ってますけど、今はちょっとこけたくらい。だから、「どうにかしないとあかん」って本気で思って、いろんな人にどうしたら良いか聞いています。だから、そういう違和感は最初、ありました。

Bambiさんにとって、挑戦ではありますよね。やりながら学ぶっていうやり方。今までは、学んで蓄積してきたものが、ふっと昇華するタイミングが出てきて、実践してきたイメージです。でも、今は違う…。

今までも何かをやりながらやったかもしれないんですけど、今は常に何か苦手なことをしながら、自分の好きなこともやっている感じです。経営とかめっちゃ苦手やけど、学びながらアーティストのサポートもして…。でも、それだけやとダメなんです。やっぱ、プレイヤーとしてもある程度活躍してないと、作家さんにアドバイスする時に説得力がないんですよね。
むしろ、プレイヤーと両立する方が良い…。

そう。人から「凄いですね!」って言われるような仕事は受けるようにしています。だから、全部をやっていかんと、今の自分は多分成り立たない。でも、時間配分とか体力調整とかは苦手なんですよ。多分発達障害の特徴やと思うんですけど、僕はひとつのことしかできない。マルチタスクができない。やけど、できる限りでやっていかんと成り立たない。そこは今、結構葛藤してるとこですね。

会社員時代は社員達の予想を超えるミスをしていた

今言ってくれた、マルチタスクができないって、会社員時代の時もかなり顕著に出ていたと思うんです。

出てたね。出てた。めっちゃ出てたよ。(笑)寝ながら仕事してましたもん。両立できひんから。発達障害の特徴の一つとして、「過集中」があって…。

自分もADHD傾向があるのでわかります。

逆に、ストレスがかかることに集中し過ぎると眠くなるんですよ。頭に酸素が行き渡らなくなるのが原因らしくて。

もう、そこまで身体が反応すると…。

めっちゃ出てましたね。遅刻するとか、連絡漏れがあるとかはなんとかなるんです。ミスは誰かが発見してくれるから。遅刻しても誰かがやってくれる、連絡も、誰かがカバーしてくれる。会社なんで。いっぱい人いるから大丈夫。でも、寝ちゃうっていうのは、カバーできない。
確かに。

誰もカバーができない。自分だけのことだから。そこだけ「辛いな」って思って。それを当時付き合ってた彼女から「発達障害ちゃうん?」って言われて。

そこで初めて自覚するようになったんですね。

そう。「昨日なんかテレビでやってたで。発達障害じゃね?」って。それで病院に行ったら、発達障害って言われました。

ついに判明した…。

前半・後半と分かれた診断テストを受けて、前半だけで判明。薬もらったんですけど、その薬がマジで合わんくて。飲んだら、目は覚めるんですけど全身ムズムズするんです。体が全部かゆくなるんです。頭の中もかゆい。「これは集中できひんな」って思って、薬を使わない。結局、仕事中に寝る。

当時、1番「ヤバイな」って思ったエピソードとかありますか?

正直、自分自身はあまり「ヤバい」って思ってないんですよ。

と言いますと?

受け入れたんで。その発達障害って言われた時点で、納得できたんですよ。「あ、それでか!」って。全ての出来事が発達障害が原因やとわかったんで。

それは安心やったんですか?

自分の性格やったら落ち込むけど、発達障害ならそのせいにできるじゃないですか。

確かに。

で、僕はそれで安心しちゃったんですよね。別に治そうとかも思わんかった。「もう、しゃーねー」って。

開き直ったんですね。

うん。だから、会社で誰よりもミスをしたと思う。100個ミスがあったら101個目をやる人でした。(笑)

社員たちの予想を超える。(笑)

そう。誰もしたことないようなミスをしてしまう。「すごいなお前!そんなとこでミスする?」みたいな。ポスターのキャッチコピーを入れてなくて、それを刷られことがありました(笑)

それはヤバいですね。(笑)なんで他の社員さん気づかなかったんやろ…。ちなみに、他にもエピソードはありますか?

かなり高価な壺の現物と写真の色を合わせるレタッチの仕事があったんです。もちろん、壊れたらあかんもの。手で持ちながらやってたんですけど、寝起きがすごかったんです。寝て起きて…。案の定、手から「スルン」って滑り落ちて、まさにドラマみたいにスローモーションでコンコンコン…。「あ、あ、あぁ!」って。(笑)

あっそれ面白くなるやつ。(笑)

それて、机から落ちて「バリーン!」って木っ端微塵。周りは「しーん…」。

(爆笑)

「すいません!!!」って。一応サンプルとしてもらっていたもので、ギリ大丈夫だったんですけど、めっちゃ大問題になりましたね。

それで5年間続けられたのがびっくりです。(笑)

いけたいけた。(笑)

好きでも、しんどいものはしんどい

ただ、会社を辞めたのも挫折が原因だと、事前に聞いています。どのような挫折があったんですか?

挫折っていうか、ミスしまくって2~3年目までしんどかったんですよ。それで、異動されたんです。画像編集やる仕事に異動させられたんです。ただ、画像編集って、結構作品に近いんですよ。

と言いますと?

「レタッチ」の作業が主な仕事で、これが作品作りに近いんですよ。相手が良いって言ったらOKなんで、めっちゃ楽しかったです。

なるほど。

ただ、量が多いんですよ。1日100点とか200点とかレタッチしてました。

えぇ!?(想像できない)

だから、寝たら終わりなんですよ。一瞬でも寝たら、その時間で何十個もできるんで。

うわぁ、大変…。

「寝たら支障をきたすやん」って、毎日怒られてました。実は僕含めて担当は2人しかいなかったんです。しかも、もうひとりの社員さんが超ストイック。もう朝から晩までずっと集中してやってたんです。

それは凄いですね。

超真面目な社員さんと寝がちな僕。だから全然合わなくて、めっちゃ怒られて。その結果、「もうしゃあないやん!」って逆ギレしました。結局、人間関係ですね。

なるほど…。

この調子やと作家活動との両立ができない、だから「辞めよう」って思うようになりました。でも、辞めれなくて…。そんな時、アーティストのきくちゆうき君のおかげで辞める決心がついたんです。

会社を辞めることができた「伴走者」

その「きくちゆうき君」とはどんな関係だったんですか?

僕と同じように仕事と作家活動を両立していたんです。でも再会した時は、すでにフリーで活動していて、その姿がめっちゃ楽しそうやった。それで、会社辞めたいことを言ったら、彼から「Bambiちゃんも辞めたらええやん。会社。」って。

もう、サラッと。

サラッと言われて。「なんとかなるで」って言ってくれたから、「わかった辞めるわー」って。きっかけがこれです。

めっちゃ軽いですね。(笑)でも、友達が楽しそうに働いていたから…。

最初の状況が一緒やったのもありますね。だから、「自分でもできるんちゃうん?」って思えるようになったんです

それに加えて、自分の作品が売れた経験があったからですね。

当時はそこまで売れてなかったです。怒られながら働いて、片手間で作品作るのが何よりしんどかったんです。

自分のスキルがはっきり活きる仕事ではあったけども、それ以前に働き方に関して、スタンスがどうしても合わなかった…。
やっぱり楽しいのは作家活動やったし。会社は、楽しいけど苦しかった。「なんでこんなに怒られてるのやろ?」って。だから両立は無理やと思って、会社を辞めました。

今までの話を聞くと、今まさに、サポーター活動と作家活動を両立させています。僕からすると、同じような状況にあると感じます。実際どうなんですか?

それが、今は全然しんどくないんですよ。

好きだけじゃなくて、ただ、やりたいから

しんどくないんですか?

体力的にはしんどいんですけど、会社はやりたいことではなかったから。

なるほど、やりたいことをやれてる状態にあるから、何もしんどくない…。

全然全然。正確に言うと、しんどいのはいっぱいある。でも、「毎日しんどいわー、このアトリエ、だるっ。」みたいなのは全くない。幸せ。

そもそもやりたいことを今やってるから。それは苦じゃない。

苦じゃない。アーティストさんと一緒に住んで、下に行ったらアトリエがあってって、「もう最高すぎるやろ!」って。

ここまでBambiさんが到達できたのは、やっぱり必要なステップを踏めてるっていうのはあるかもしれないですよね。

そうなのかもしれないですね。今、話してて整理できました。

ただ、一見Bambiさんって何でもできる感があるんです。経営もできる、お金も、売れる仕組みもわかる、そして絵が描ける…。さらに、拠点も運営して。「えっスーパーマン?」って、なるんですよ。

でも、話を紐解いていくと、鬱を経験して結果、「自分には絵がある!」と思って、そこから自分の100%をつぎ込んだからこそ、見えるもの広がった。だからこそやと思います。

うんうん。

特に僕らみたい発達障害傾向がある人には、Bambiさんみたいに何か1個掘り下げて、そこから横に掘るスタンスが合うと思います。そうすると自然に、深く広く掘れる。Bambiさんでいう「絵」に当たるものを僕たちは模索できたら良いのかな、って思いました。ただ、それをどうしたら見つけられるのか、わからないのが現実です。

僕で言う「絵」に当たるものか…。

自分の「好き」と「やりたい」の見つけ方

「絵」に限らず会社員でも、大きな意味での働き方、本当に何して働きたいのか、何して活動したいのかっていうのを、定めるためにはどうしたらいいのか一緒に考えたいんです。

定める…。

Bambiさんの場合は、自分の表現において勉強と音楽で行ききれなかった。その結果、鬱状態になって、残ったものが絵やった。でも、人によって状況は違います。だから、どうしたらいいのかなぁって。

僕はただ終わらせたくないんですよ。なんか上手くいってなくても、そのままで絶対終わらせたくない。「しんどい」って思ってるなら、そのまましんどいで終わらせたり、「仕事やし」って妥協するのはもったいないって考えてます。つまり、「どうやったら自分は幸せになれるか?」とか、「楽しくなれるか、面白くなれるか?」っていうのを考える時間を作らないといけないと思います。

Bambiさんの場合は、鬱の時間が自然にその時間になった印象です。

僕は鬱になってたけど、「このままじゃいけない」っていうのは当時も今も思ってます。「何がしたいんやろう。死んだほうがいいのか、生きるほうがいいのか。」って悩んでいたのは事実です。でも、「絶対生きるほうがええわ!」って心から思ってました。だから、「生きるんやったら何をしたらいいか?」って考えるようになって、「自分の楽しいこと何か?」とか、「今何が苦しいのか?」っていうのをずっと自分に問い続けていました。つまり、自分と向き合う時間が必要なんやと思います。

その結果、Bambiさんは「絵」だったってことですね。まさに、前回の古家由佳子さんが言っていたことと同じです。社会に出るタイミングで、自分は何がしたいかわからなかった。それで留学に行ったんですが、その時間が「自分と向き合う時間」になったと言っていました。その結果、「田舎のおばあちゃんの家」を作りたいとわかったそうです。いじめにあって、おばあちゃんの家が居場所になった。やから、それを作ろうって。

ただ、働いている人がその時間を取るのが難しい。その取り方をどう取ったらいいんでしょうか?Bambiさんも、「絵」でやっていこうっていう決意はありながらも、具体的な向き合い方が、まだちょっとはっきりはしてなかったと思うんです。

そうっすね。僕が大事にしているは、夢を描くとか目標を持つことですね。これは今すぐにできる事です。夢は絶対に叶うって僕は思ってて。でも、なんでそれができたのか考えると、「自分はどうなりたいか、どんな幸せを描きたいのか」を、常に考えていたからだと思います。確かに、そんな人たちが、たくさんいたらいいなって思っています。
具体的にどうしたら良いと思いますか?

会社とかでずっと働いてたら、その日の自分しか見えないんですよね。「しんどいなぁ」とか、「あいつ、うざかったなぁ」とか。でも、それがインプットとなって、休みの時間もそれをアウトプットするようになってしまうんですよ。つまり、同僚とかに愚痴を言ってしまうんですよね。

あぁ、なるほど!

そのインプットを自分の好きなものとか、夢とか、目標とかにすると、アウトプットもそれになるんですよ。

すごい納得がいきます。

だから、僕からすると、それぐらいやと思うんですよ。

特にしんどい時期ってインプット自体がすごいマイナスになると思うんです。それでも、「どうしたいか?」って考える自由を、そこだけは頑張って放棄して欲しくないっていうことですね。

そうですね。夢は絶対に持っておいた方が良いです。「今、この瞬間に思ったこと全てが、ちょっと先に結果として現れる」っていうのを教えてもらったことがあって。つまり、心の状態をどう保つかってことです。「今この瞬間、ネガティブになってたから、ちょっと先もネガティブ。それがずーっと永遠に続く。だからこそ、ほんのちょっとでも良いから、今この瞬間ポジティブになってみ」って教えてもらったんです。そうすれば、ちょっとずつちょっとずつ積み重なって、ちょっと先はずっとポジティブになる。

ほんまそうやなって思っていますし、今こうやって楽しくできてるのは、ちょっと前の自分がポジティブに思ったからなんですよ。だから、ネガティブのまま終わるのは、ほんまに、やめた方がいいと思います。

ネガティブなインプットがすごい入ってくるけども、ほんまに、ほんまに少しでも良いから、何かポジティブなアウトプットを出していく。ほんの0.1%でも良いから、何かポジティブなものを出す姿勢を、持ちたいなっていう…。

で、それがひとりやとなかなか難しい。底がないんで。ネガティブの底が。もう自分がダメだと思ったら、いつまででもダメだと思っちゃうんですよ。だからこそ、僕は作家さんに対して、「絵でいけるで」って言うようにしてます。僕はその人に仕事を与えるとか、技術的に育てることはできないと思ってるんですけど、その0.1%のポジティブは絶対与えられるって思うから。

自分自身が経験したからこそですね。

そう。過去にどん底まで落ちて、上がって、下がって、上がってを繰り返してきたから。わかるんですよ。「上がることができる」というのが。

まさに、Bambiさんのその姿勢が、Blind Up.でいう「伴走者」になると感じました。Bambiさんにとって、今までのお話から何人も出てきましたけど、一番どん底になったときに、上がれるように支えてくれた「伴走者」って誰になりますか?

うーん、パッと出せないですね。その時その時で違う人がいたから。だいたい2年ごとに大きく変わってたんで。

すごい大きく変わってますよね。くるくるくるくる、変わっていって…。

今近いとこで言ったらそれこそ、Blind Up.の代表である坂くんとなっちゃんかな。坂くんの場合は、わけわからん状態で電話して、今の状況を整理してくれるんです。なっちゃんの場合は、テンション上げてくれるんですよ。その結果、「こんな風にやっていくわ!」って言えるんです。その上で、「お前ならできる!」って言ってくれるんですよ。
今のBambiさんにとっての伴走者であるBlind Up.代表の坂(左)となっちゃん社長(右)
めっちゃ嬉しいですね。

めっちゃ支えになっています。

今は、サカとなっちゃんが「伴走者」やけど、それぞれのタイミングで「伴走者」がいたと。

そうっすね。今は坂くんとなっちゃんかもしれんけど、それまでは、別の人やったかもしれん。

「幸運」って一言が一番分かりやすいのかもしれないですけど、何回も出会いがあったじゃないですか。なんか共通するはありますか?出会う前に共通した出来事。

出会う前にあった出来事…。多分、「自分から環境を変えた」、かな?例えば、仕事を辞めるとか、フリーになるとか。自分で意思決定した後に、キーパーソンみたいな人に出会った感じですね。出会ったというか、僕が会いに行ってるんでしょうね。それがたまたま波長が合って、長い時間一緒にいれるのかなと。

自分で決めた選択だからこそ、波長の合う人に出会える…。

そうそう。このシェアアトリエも、ディーマンさんにプレゼンしてたからこそなんで。それで出会った人なんで。だから、自分で意思決定した後に、出会ってるっていう。

それをするためにも、さっきの自分の夢っていうのを…。

あーそうそう!それっすそれっす!

考え続ける。そして、考え続けた先に、自分でこう踏み切れるタイミングが来るっていうことですよね。

そうです、そうです。

「辞める」は「逃げる」じゃない、自分の時間を大切に

普通、自分の中で100%納得感がないと環境なんて変えられないですよね。

その環境を変えられるのも、多分挫折があるからなんですよ。「もう無理!」みたいな。そして考える時間を持ちつつも、「あぁ無理やな…」って思った時にはもう振り切ってるんですよね。絶対、「次に成功させよう」って振り切ってるから。その時こそ、自分の本気が誰かに伝わって、「一緒にやろう」って言ってくれる人を引き合わせるかもしれないです。

でも今、「また変わるやろうなぁ」って思ってて。このシェアアトリエ、自分では全く上手くいってないって思ってるんで。上手くできなかったら、それはそれで「パーンッ」って振り切るだろうし、成功してもまた変わるやろうなって。ここを乗り越えたらまた違う巡り会いがあるんやろうなって。

どの道行こうが…。

どの道行こうが、「おもろいことにはなるやろうな」って。

なるほど。その面白さのレベルを上げるためには、「自分と向き合う時間」ってことですね。結局そこがスタートじゃないかなって。

僕の場合は、大学の時に挫折のような状態に戻りたくないっていうのが、めっちゃ強いんですよ。「あの時間まじで嫌やな」って。また鬱になって、何年も悩み続けるっていうのが、ほんまにしんどいから。だから、そうならんようにしてるんですよ。何か悩んだ時、できるだけ早くどれだけ早く普通に戻れるか。だから、挫折しろとまでは言わないですけど、大きな失敗は絶対したほうがいいと思う。

その上で、どうしたら良いと考えていますか?

このままずーっと年取って行くくらいなら、今を変える何かアクションを起こした方が良いと考えてます。だって、失敗しても成功しても、前に進めるから。今のままで終わらない、終わらせないっていうのは、すごい大事やと思っています。

最後に、「ここで終わらせない」ってところなんですけど、例えば会社に勤めてて、すごいしんどい。でも、「途中で投げ出したらあかん」って思ってしまう人もいると思うんですよ。

全然そんなことないです。

ですよね。

結局、何を終わらせたくないかですよね。今のしんどい状態に対して、「このままで良い」って思わないでほしい。もし、自分の幸せに繋がってないなら、「どうやったら幸せになるか?」っていうのを、ガチで考えてほしいです。

その結果、今の職場から逃げるというか、離れても良い…。

全然良いっす。もう、すぐ辞めても良いと思います。

自分が良くなるための選択を取っているから問題はない。

そう。今の状態がよければ良いんですよ。「しんどいけど、まぁ、このままでいいか」って、幸せやったら良いんですよ。誰かに言われたことを、淡々とやることが向いてたら、そのままで良い。今の仕事が好きやったら良いと思うんですけど、ほんまにもう、死にたいくらいにしんどいんやったら、それは今すぐ辞めた方が良いです。

「辞める」=「逃げる」じゃないってことですね。

そう。ただただ、「辞めた」だけなんで。次の何かに変わるだけなんで。結構、大学を辞めるとか、仕事を辞めるとか、バイトを辞めるとか、それ「逃げる」じゃないんで。しんどいから辞める。ただ、それだけなんで。

自分の頭の中には、「より良くする」っていうのがあるなら…。

全然辞めて良い。この前も夜中に作家さんから電話かかってきて、「もうしんどいっす」って言ってきたんです。「仕事もしんどい、絵が描けなくてしんどい。どうしたらいいですかね?」って。それで、「明日風邪ひき」って言ったんですよ。「風邪ひいて、海行き」って。

なるほど。(笑)

頑張りすぎてるんですよね。ひとりが休んでも、会社やからなんぼでも回ります。それを知らずに、やれてない人が多いなって思います。だから、もっと柔軟に、自分がやりたいように生きて良いって思うんです。
確かに、会社やったら良い意味で替えが効くって話ですよね。会社員って、自分の都合で休むと、居場所がなくなるって感じてしまうと思うんですよ。でも実際問題、ひとりくらい休んでも会社は回る。そこを上手く利用して、ちゃんと自分の時間を取ろうってことですね。

そうそう。「自分と向き合う時間」ってマジで取れないんですよ。サラリーマンしてると、ほんまに。

「自分と向き合う時間」。これって終わりがないですね。ステージが変われば、またその上というか、見えるものが違う。その時また、「次どうする?」みたいな。まじ終わらないですね。

うん、終わらない。

そこがしんどいかもしれないけど、楽しいところじゃないかって、今は思えます。みんな、そんな状態になれたら良いですね。

そうっすそうっす。向き合うことはしんどいんすよ。しんどいけど、でも、その過程を経てたことで、自分の幸せなステップへ行けます。だから、時間を自分のために使ってほしいです。

わかりました!本日はお時間頂き、ありがとうございます!
Bambiさん(下中央)、Blind Up.編集長の坂(左)、インタビュアー亀井(上中央)、カメラマン橋本(右)

働き方に悩んできた当事者たちが、自分らしい働き方ができるようになったきっかけやその経緯、そして彼らのとなりで支えてくれた「伴走者」について、当事者目線から綴っていく「伴走談」。

第2弾は、アーティストBambiさんでした。

挫折にとって鬱になり、辛い思いを経験しながらも、だからこそ見いだした「絵」という道。アーティストとして生きていける道は決して平坦な道ではありませんでした。

しかし、その険しい道を乗り越えられたのは、数々の「伴走者」がいたからこそ。

今でも、Blind Up.代表である坂となっちゃん社長が「伴走者」として、彼にとって大きな支えとなっています。

彼の描く絵は、とても繊細ながらも、ほんとにたくさんの人の手から生まれた作品だと思うと、とても温かい絵だなと感じました。

というのも、Bambiさんからの言葉から、「伴走者」となった人たちのことを、本当に大切にしていることを強く感じたからです。

そんな彼だからこそ、アーティストとしてもサポーターとしても、人が集まってくる存在なのかなと思いました。

Blind Up.は関わりたい方をお待ちしています

ここまで読んで頂き、ありがとうございます。

今回の記事も含めて、Blind Up.は働き方で悩んできた「当事者」達によって運営されています。

自らの働き方を模索しながら、ライター・カメラマン等の「実践者」として関わってくれています。

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